マネキン

今日、学校からの帰り道にデパートの前を通りがかると、ショーウィンドウの中を熱心に覗き込んでいる中年男性がいました。彼が見ていたのは、ショーウィンドウの中の金髪女性のマネキンでした。彼はそのマネキンに恋をしていたのだと思います。彼はついに、携帯のカメラでマネキンを撮りはじめました。
僕はこういった不具合を抱えた感じの人が大好きなので、電話をするふりをして、横目でずっと彼のことを眺めていました。そして僕は、彼が夜中にハンマーを持って、ショーウィンドウの中から愛する人を奪いだすシーンを想像しました。その時の彼たるや、ものすごい高揚感だと思うのです。成功を祈っています。