逆効果

医者はしばしば頭部に、シングルCDのような物体をつけていると思うのだが、あれと同じ位置に「丑の日には ウナギを食べよう!」と書かれた広告を装備したコンビニ店員を目撃して、切なくなった。広告には、元気いっぱいなウナギのイラストも添えられていて、切なさをよりいっそう際立たせていた。浜崎あゆみがCDジャケットで妖精になっている間にも、こういった惨劇が起きているわけだ。
この広告を見て「あ ウナギ食べよう」と思う人が、この世にどれだけいるのだろうか。それよりは僕のように、「彼は いかなる気持ちで あれを身につけているのだろうか」と心配な心持ちになる人の方が、多いのではないかと思う。


コンビニの店長の中には、たまに、明らかに逆効果の政策を打ち出す人がいる。ボールペンを買いに行ったのに、なぜか「一緒に美味しいワインはいかがですか」と勧められたことがある。「一緒に」の意味が全く分からない。買い物をするたびに、いちいちワインを勧められるようなコンビニに、誰が足を運びたくなるだろうか。
コンビニのように全国展開されているようなチェーン店では、客は一定のサービスを期待してそこに行くので、店長が暴走して奇策に走るのはよくないと思った。